対立する親族に親を囲われてしまって財産などを搾取されているため成年後見を申し立てたいが、診断書が取れなくて申立てができなくて困っている、との相談を時々受けます。
東京家裁は成年後見の申立てには診断書を付けることが不可欠であるとの姿勢を崩しません。
書記官に交渉しても、「診断書がなければ受け付けません。」と、けんもほろろです。
私が相談された事案は、対立する親族が叔母を高齢者施設に入所させ、不動産や金銭などを預かり搾取していたと推測される事案でした。
高齢者施設に面会を求めましたが、施設は親族間の争いに巻き込まれるのを恐れ、当方を面会させませんでした。
そこで、どうやって診断書を取るか悩みました。
打開策としてこの高齢者施設を監督する地方自治体に高齢者虐待を通報して調査してもらうことで対立する親族を説得してもらおうと考えました。
とはいっても、地方自治体の高齢者福祉課はそう簡単には動いてくれません。
虐待の根拠があるのか、と意地悪を言う始末。
そこで、私は高齢者虐待防止法では高齢者に対する虐待の場合の責任主体は市区町村であることを根拠に、これを見逃して損害を与えたら国家賠償責任が発生すると自治体に警告しました。
すると、地方自治体は重い腰を上げ、対立する親族に対する調査を始めました。
対立する親族は自治体が調査に来たことにビックリしたのか、財産の開示には抵抗しましたが、ようやく成年後見の申立てに同意し、診断書の取得にも応じてきました。
その後、後見人には弁護士に就任してもらい、対立する親族に調査し、不透明な金銭支出分は返還させたそうです。
囲われた高齢者の成年後見申立てもやってやれないことはないと感じました。
(小倉)
▼詳しくは下記成年後見ページへ
https://www.ikizakashita.jp/adult-guardianship_welfare-issues/