後見制度支援信託の現状

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成年後見 福祉_アイコン成年後見制度において後見制度支援信託が導入されて、ほぼ1年経ちました。

 

この間さしたる混乱もなく、同制度は運用されているようです。

 

当初の申し合わせのとおり、新件のみが対象とされ、金銭のみを信託するという運用で進んでいるようです。

 

同制度の適用事例は全国的にも100件程度のようですが、まあ無難に運ばれているようです。

 

もちろん問題点はたくさんあり、家庭裁判所での調査が不十分だったり、親族と弁護士とを複数選任するリスクがあったり、解決すべき問題はたくさんありますが、無難な滑り出しと感じます。

 

しかし、近時後見人の横領事例はどんどん発覚する一方で、その被害金額は莫大です。

 

先日の成年後見委員会においても、理事者がわざわざ後見人の立場で横領などしないようにと注意をしに来ました。

弁護士なんだらか横領なんてしないのは当然のことであるにもかかわらず注意にやって来るのは異常でした。

 

おそらく最高裁の危機感も半端ではないでしょう。

 

風のうわさによれば、最高裁は後見人の横領を防止するために、後見制度支援信託を以前から後見に付している事件にも遡って適用すると考えているふしがあります。

 

2012年以前に後見開始している事件でも、後見人が預かっている財産のうち金銭を信託銀行に信託させようと考えていると思われるのです。

 

この点については、弁護士会もまだ正式に最高裁からの要請を受けてはいないため、その議題は論じてはいないようです。

 

しかし、不正防止のためには、同制度の遡及適用もやむを得ないのではないでしょうか。

それほど後見人の不正行為は目に余るときがあります。

 

後見人に就任している弁護士に対しても疑惑の念が向けられる時代です。

職務の公正を理解してもらえる環境は遠のく感じです。

 

(小倉)

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