ある依頼者から、成年後見の申立権者について質問されました。
親族Aの成年後見人が、Aの親族Bの成年後見の申し立てができるだろうか、というものです。
これは文献を調べましたが、見つかりませんでした。
今まで考えたこともなかったです。
条文上、成年後見の申立は、「本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、保佐人、・・・」ができるとされているだけで(民法7条)、条文からは、成年後見人が他の親族の後見申立をできるかは、明らかではありません。
この点、成年後見人は、被後見人の財産を管理したり(民法859条)、身上を監護したりする(民法858条)のが職務であって、他の親族の後見などは職務の範疇を超えています。
だから、成年後見人は、他の親族の後見申立はできないと考えられます。
東京家庭裁判所の書記官にも確認してみたのですが、やはり申し立てはできないとのことでした。
成年後見人は代理みたいなもんだから、できそうな気もしますが、できないことも多いんですね。
(小倉)