最近、貸金業者と、過払いで争うことも少なくなりました。
過払金返還請求を訴訟で行うと、回収まで時間がかかるので、私は、訴訟はあまり行いません。
ただ、先日、過払金返還請求訴訟を提起した際、支配人性を争った場面で、面白いことがありました。
東京地裁に提訴した事件なのですが、貸金業者が支配人を出廷させてきたのです。
真の支配人ならいいでしょうが、貸金業者の中には、弁護士を代理人に立てる費用を惜しんで、形ばかりの支配人(支配人の登記をしただけの者)を立ててくる貸金業者があります。
この貸金業者もそういう業者です。
なので、私が、出廷してきた相手方本人は支配人ではない、と主張したところ、支配人と称する相手方は、
「いいんですか?支配人かどうかを争ったら、解決まで時間が延びますよ。」
と、半ば脅してきました。
私は、嫌なヤツだな、と思ったのですが、
その瞬間、
「勝手に訴訟手続の進行に口出すな!」
と、裁判官が怒り出したのです。
「支配人性を争って、訴訟が延びるかどうかは、私が決めることだ!
あんたが口出すことではないっ!」
と、激怒する始末。
相手方は、びっくりして無言になってました。
あんまり裁判官の怒りがすごいので、結局、私は、支配人性を争わないことにして、早く訴訟が進行することを選びました。
そこから、事件はとんとん拍子に解決しました。
ものすごく怒っている人がそばにいると、自分の怒りは不思議と治まるものです。
(小倉)