東京電力に除染の責任はないとした驚くべき決定

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時事問題_アイコン東京都文京区で弁護士をしている小倉です。

 

 

 

東京地裁で、東京電力は原発事故による放射線の除染の責任を負わない、とする決定が、10月31日に出されました。

 

 

 

福島第1原発の西北西約45キロにあるゴルフ場運営会社と敷地・施設所有会社が、東京電力に対し、場内の除染と除染完了までの維持経費支払いの仮処分を申請したところ、東京地裁は、10月31日に、この仮処分を却下しました。

 

 

 

その却下の理由がびっくりします。

 

 

 

除染は国や自治体が計画的に行うとの方針があるため、東電に現時点で独自に行わせることは困難だからだそうです。

 

 

 

維持経費についても、9月に受付が始まった東京電力による賠償手続があるから、さまざまな施策を利用することができる可能性があるからだそうです。

 

 

 

ゴルフ場の地上1メートル地点の放射線が存在するにもかかわらず、基準料の毎時3.8マイクロシーベルトを下回るから、ゴルフ場営業に支障はない、とまで言い切りました。

 

 

 

つまり、放射線が基準量に達しないから、大したことはなく、金銭賠償すればいいのであって、除染は国などに任せるべきで、東京電力には除染する責任はない、という決定です。

 

 

 

驚くべき裁判所の判断。

 

 

 

放射線を基準量以下であれば、いくらばらまいても許される、というに等しい決定です。

 

 

 

到底、納得できる判断ではありません。

 

 

 

2社は、11月14日、高裁に即時抗告したそうです。

 

 

 

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