東京都文京区で弁護士をしている小倉です。
ある事件で、不動産登記簿の附属書類のうち、登記原因証書を見る必要が出ました。
そこで、その登記の原因たる証書(例えば、贈与契約書とか)を見ることができるか、が問題になりました。
登記をした権利者や義務者であれば、当事者に該りますから、問題なく閲覧できます。
しかし、当事者の推定相続人ができるのか、明らかではありません。
不動産登記法121条2項は、図面以外の附属書類は、利害関係をもつ者に限る、とされています。
そこで、推定相続人がこの利害関係者に該るのか、疑問になりました。
論議していても仕方ないので、思い切って法務局に電話で尋ねました。
すると、登記官が、
「推定相続人であれば、利害関係ありといえると思いますよ。」
と、嬉しい答え。
思いの外、利害関係は広いんだ、とわかりました。
身分証明書や本件登記番号などは示すことを要求されましたが、それくらいならへっちゃらです。
やはり、取引の安全を確保する制度だから、その関係書類もある程度公開を容認されていて、プライバシーの要請はそれほど強くないとされているのでしょう。
おもしろい制度です。
壱岐坂下法律事務所ホームページ https://www.ikizakashita.jp/