債権を回収してほしいという相談をよく受けます。
そのときに、私は仮差押えできる資産があるかにとても関心を寄せます。
仮差押えできる資産(不動産や預貯金)があるなら、仮差押えをした上で、債権の請求の提訴をします。
逆に仮差押えする資産が見つからないなら、相談者を諦めなさいと説得して受任を断るようにします。
仮差押えできる資産がないのに提訴して勝ったって、判決が紙切れになるだけですから。(それでも受任する弁護士がいると聞いたりしますが、信じられません。)
つまり、回収が現実的にできる算段ができてはじめて、提訴すべきだと考えているのです。
もっとも、仮差押えする際に、担保金の額がいくらと指定されるかは気になるところです。
通常は債権額の3割前後がひとつの相場です。
(不動産の仮差押えのときは不動産の時価が基準になりますが。)
けれども、もっと低い額で担保金をおまけしてもらったケースもありました。
依頼者が担保金として積めるお金の工面に苦労していたのですが、裁判官は「用意できない額を要求しても仕方ないから、用意できる金額の上限はいくらですか。」、と融通を利かせてくれたことがありました。
担保金の額はある程度交渉次第というのが実感です。
だから、仮差押えができるならしてしまって、それから提訴するというのが費用対効果がいい債権回収方法だと思っています。
(小倉)