東京都文京区で弁護士をしている小倉です。
大阪高裁で、非嫡出子の相続分を嫡出子の半分とする民法の規定は憲法違反である、との判断が下されました。
民法900条4号では、結婚していない男女の子(非嫡出子=婚外子)の相続分は、結婚している夫婦の子(嫡出子)の半分とされています。
これが、法の下の平等(憲法14条1項)に反する、と判示されたのです。
最高裁では、平成7年に、民法のこの規定は合憲である、と判断されていました。
非嫡出子を作らないようにして、社会全体で法律婚を奨励しようとする意図でした。
けれど、法律婚を奨励するために、気の毒にも非嫡出子として生まれてきた子の相続分を減らしていいわけありません。
そんなペナルティーを子供に与えるのは、筋違いです。
大阪高裁の赤西芳文裁判長は、
「子の法律上の取り扱いを、嫡出子か婚外子かによって区別することは、いわれない差別を助長しかねない。」
と、まで述べました。
最高裁でも、平成7年時点で、反対意見が5人あったそうです。
この事件が最高裁に上告されたら、違憲判決が出されるに違いありません。
古くは合憲と考えられていた規定が、社会全体の意識が変わったために違憲になるなんて、珍しい事例ですね。
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